TIME TRAVELER CHITA

I'm CHITA, Hongkong super star. Tibet

追記 : チベットの湖にて

古いiPhoneのメモになんか書き残したものがあったので、供養。

 

 

 

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冷たく澄んだ真っ新な空気。
山々と高原の間を列車は進んでいく。
一面の草原にヤクの群れが現れたかと思うと、氷山が顔をのぞかせ、そして次第に湖へと移る。
ずっと夢見ていた土地を今、通過している。
静かな感動で胸が一杯だった。

 

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ナムツォ
標高4777mにある湖。
水がガラスのように澄んで、砂浜にさざ波を立てている。大きな岩がそびえ立ち、鏡のようにその姿をくっきりと映している。
誰かがバイクで土の道を走っていく。
撮影用の大きな毛牛がぼーっと立っている。
さすがに酸素が薄いのを身体で感じ、心臓が苦しかった。


大きな湖はまるで海のようだった。
遠く彼方に山々が並び、青空に突き抜ける。
透明な水がゆったりと揺れる。まさに天国だ。
あまりの美しさに、体の苦痛を忘れた。

遠くの山の頂を眺めていると何故だか心が落ち着いた。あそこに行くことができたら、と憧れの念を抱く。きっとこの世の苦しみも悲しみも全て綺麗に取り払ってしまえるだろう。頂に立ち、一帯の景色を見ることができたら。
水も山も空気も雲も、皆生きていると思った。

カーブの多い山道をバンで降りて行く途中、谷に残る集落の跡を何度か見かけた。屋根の部分だけ綺麗になくなっているが、石の土台となっている所はそのまま残っている。
思わずあの谷でかつて生きた人々の暮らしを想った。彼らの命が巡り巡って今の自分に繋がっているとすら思う。世界はこんなにも広いが、全ての生は繋がりを持っている気がする。

岩の側面に、白いハシゴの絵が描かれているが気に入った。それは死者の為の「天国への階段」だ。自分が死んだとき、誰かが自分を想ってハシゴをかけてくれるだろうか?
そして自分の生がいつかどこかで誰かに繋がってくれるだろうか。誰かの記憶に残り続け、あるいは何百年も後、ふとした瞬間に、自分の生きた証を感じてくれる人がいるだろうか。

 

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