アマプラで唯一購入した映画について
アマプラで唯一購入した映画
『call me by your name』
邦題『君の名前で僕を呼んで』
を久々に見ました。
久々というか定期的に見ます。
原作も買ったのですが、なぜかいきって英語版を買ったので数ページしか読めていません。
しかし本当に美しい話です。
雰囲気系かと思いきや、ガッツリ台詞で伝えてくる系でした。
ストーリーはイタリアの田舎町で夏休みを過ごす少年エリオと、夏の間だけやってくるアメリカ青年オリヴァーの、ひと夏の恋。
少年エリオはまるで彫刻のような、美の化身。
青年オリヴァー(実際は役者が結構年上なので普通に良い大人)も、引けを取らないハンサムさ。
二人とも、美しいだけでなく知性にも溢れています。もはや存在が芸術。
二人は出会ってすぐに互いに惹かれ合うわけですが、初めは色々探りを入れてすれ違うのです。
オリヴァーはエリオの気を引くために女といちゃついてみたり、わざと身体に触れてみたり。
エリオはハンサム・ガイにそんなことをされモヤモヤムラムラして仕方ない。
そして〜省略〜遂に二人は想いを遂げます。
少年エリオの爆発する性欲に感動することでしょう。
二人は夏の残りをそれはもう楽しむのですが、
やがて避けられない別れの時が来ます。
列車に乗り込むオリヴァー、悲痛の面持ちです。
そして列車は彼方へ。エリオは傷心のまま、家に電話をかけます。
「1つお願いがあるんだけど…迎えに来てくれない?」
迎えに来たママは何も言わず、エリオの頭をくしゃっとします。
セリフはないですが、ママはもう全て知っていたのですね。
そしてその夜、お父さんにはこんなことを告げられます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お前たちは美しい友情を得たね。
もしかしたら友情以上のものかもしれない(実はお見通しでした)
今は苦しいだろう。
人は苦しい時、早く立ち直ろうとするあまり、自分の本当の感情をないがしろにしてしまう。
そうしているうちに、やがて後々出会う誰かに与えるはずの心の一部分までを失ってしまう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
負の感情に蓋をして、目をそらし無理に平常に戻す。そして心をすり減らしていく。
やがて深い悲痛を感じることができなくなるだけでなく、
喜びや感動も、心の表面をサラッとなぞる程度にしか感じられなくなることでしょう。
それから、エリオ父は最後にこんなことも言ってくれます。
「心も体も、手にするのは一度だけ」
輪廻転生の考えのように、命は生まれ変わるんだい!と信じる人も多いと思います。
死んだあとのことは誰にも分からないので、まあ仮に生まれ変われるとしても、
だけれども、このスペックの体にこのタイプの魂が宿ることは恐らく今回だけでしょう。
組み合わせの問題です。
なので、来世があるからいいやと思わずに
今このタイミングで得た人生を思う存分に味わおうと思います。
そして、例えば好きな人との別れ、旅の終わり、訳もない哀愁みたいなセンチメンタルな出来事とも向き合い、心を豊かに保ち続けたい。