気づけば
気づけば5月になっていた。
いつの間にか新しい時代を迎えていた。
この1ヶ月はほとんど葉山で過ごしていた。
葉山は海の綺麗なリゾート地である。
マリンスポーツが盛んでいつも海の上には白いヨットの帆が見える。
ここに住んでいる人は皆豊かで、大きな立派な犬を連れていたり、高級車を走らせていたり、或いは高級車に立派な犬を乗せていたりなどしている。
金持ちだからといって嫌味な感じもなく、
爽やかで、街並みも整然としていて素敵なところだった。
住宅はセンスが良くて、お花がたくさん植えられているのが多かった。
そしてたくさんの家にボートが置かれていた。
たまに絵に描いたようなお屋敷が隠れているのを見かけては勝手に胸を躍らせた。
なぜ葉山にいたのかというとそれは仕事の関係だった。
そうでもなければ、こんな所にくるチャンスなんてない。
ワクワクするような大きな鳥がビュンビュン飛んでいる。
1ヶ月滞在したが、とても今の自分には相応しくない上級の街だった。
いつかここに住みたいな、と密かな夢を抱きながら葉山を離れた。
終わってしまった
こうしてまた旅が終わってしまった。
気づけば、新世界の七不思議のうち3つを達成した(マチュピチュ、万里の長城、ペトラ遺跡)
まあペトラ遺跡は、きちんと探索していないのでニワカ オブ ニワカではあるが…
また、万里の長城は最北の一部分だけで、それを万里の長城として認められるか否かはわからない。
微妙なラインだが、こうなったら残りの4つも見に行ってみようかなという気になる。
そんなこんなで、自分の記録のために書いていたこのブログも気づけば記事数80を超えた。
暇さえあれば読み返して、過去のものもちょくちょく書き直している。
見てくれている人がいるかは分からないけど、何かの参考になったらと思っている。
砂漠での夜、いつまでもあの空気感を心の中に保っていたい。
あそこは無重力の空間だった。
圧倒的宇宙!!
一応地に足はついていたが、心は彼方へ飛んでいった。
これは瞑想の効果かもしれない。
あるいは、葉巻のせいかもしれない。
砂漠、海、川、山、高原…
次は、イグアスの滝を見に行きたい。
それからイースター島でキャンプしたい。
2度目の南米進出。
それまでしばらく日本で頑張ろうと思う。
毎日楽しいことを考えて、楽しいことがなければ思い出に頼ろう。
高原の空、砂漠の夜、遺跡が眠る山!
何歳になってもワクワクしたい。
さらば、ウィーン
そんなこんなでウィーンをしっかりと満喫した。
今回は美術館系に行けなかったので、次来るときはもっと時間をとってゆっくり回ろうと決めた。
もう一度来たいと思わせる所なんてなかなか無いので、さすがウィーン。敬服した。
満ち足りた気持ちで空港へ向かう。
ここで悲しいことが連発した。
話は昨晩に遡るが、宿で音楽を聴いていた時にイヤホンから突然砂嵐音が流れ出したのだ。
これはイヤホンのせいに違いない、と何の疑いも持たず、別の端末に挿して確かめることもせず、空港でappleの純正のイヤホンを購入した。
そして新しいイヤホンをるんるんでiPhoneに挿すとまた砂嵐音。
iPhone本体が壊れたのか、とショックを受けた。
それからふと気がついてググると、再起動すれば直ると書いてあった。
その通りにすると砂嵐音は消え、元のイヤホンもちゃんと機能していることを知った。
疲れていたとはいえ、情弱の極みではないか。
ちなみにこの元のイヤホン(純正)は、東京のゲストハウスで困っていた中国人を助けた時に貰ったものだ。
まあイヤホンも消耗品なので、もう1つ予備に持っていても良いかもしれないね、と遠方の友の励ましによって気持ちを立て直し、搭乗ゲートへ向かう。
飛行機に乗る前に、水を買っておこうと思い、カフェの高い高い高い水を買った。
そして一口飲んで、それが炭酸水であることに気づいた。
ショック。
そういえばヨーロッパには炭酸水トラップがあるということを忘れていた。
パッケージを見ずに買ってしまったのを後悔した。
諦めて炭酸が抜けるまで待ったが、抜けたところで飲みにくいので新たにもう一本水を買った。
全くわけがわからんが、それもまた炭酸水だった。
思ったより自分は疲れていたようだ。
さすがにもう水は諦めて、搭乗ゲートで気を鎮めることに努めた。
そういえば、ヨルダンで買ったパワーストーン的な腕輪を今朝は付けていなかったのを思い出した。
買ってから毎日着けていたのに、今朝はそれを外したからこんな悲しい事が立て続けに起きたのでは?とひらめき、すぐさま腕輪を着けた。
その甲斐あってか、ウィーン→北京間のフライトでは
2列シートの窓際、横は無人という最高の席を得た。
席を広々使いながら、ファンタスティックビーストの1と2を観た。
トイレ行き放題。
とても快適だった。
ヨルダンの腕輪、これはもう外せないな、と思っていたが酷使しすぎたか歪み出したので今はもう着けていない。
それから、無事定刻通りに北京につき
少し時間があったのでベンチで寝転がっていたら、知らず知らずのうちにガチ寝していた。
「パッセンジャー…×××××…」のアナウンスで目が覚めた。
見るとボーディングタイム15分前、一瞬ひやっとしたが余裕だった。
北京→関空のフライトでは2列シートで横に若い中国人の女が座っていたが、
もはやここまで来るとどうでもよかった。
最初のうちはおとなしかったし。
ひたすら爆睡。
しかし着陸30分前くらいになって、スマホでドラマを見ていたその女は、突然イヤホンを外して本体から音を垂れ流し始めた。
全く意味がわからない。さっきまでイヤホンつけて大人しく見てたじゃん。
気圧のせいで聞き取りづらくなったのか知らんが
普通にうるさかったので注意しようか迷った。
中国人あるある、スマホ本体音流し。
もうすぐ着くから良いか、と思い直して我慢したがああいう時にすぐ注意して自分の平和を取り戻せる強さが欲しいと思った。
何はともあれ、今回もまた無事に帰国できた。
盗難、事故、病気怪我共になし。
スマホの画面も無事である(cf.ルアンパバン)
帰って真っ先にラーメンを食べた。
やっぱり美味しい、日本のラーメン。
楽しい12日間だった。
ウィーンのラーメン
ウィーンについた翌朝、まず初めにしたことはラーメン屋探しだった。
あの日、無賃乗車をしてまで向かおうとしていたのは実はラーメン屋だったのである。
誰かがネットにまとめた、ウィーンのラーメン屋ランキングを参考に探したが
日曜は休みの店が多く、ランキング3位くらいに挙げられていた「kojiro」という店に行くことにした。
その日私は路面電車の乗車に失敗し、混乱してチャレンジする気力がなくなってしまったので歩いて「kojiro」へ向かった。
1時間くらい歩いた。
どうせ3日もすれば日本に帰るのに、それでもどうしてもラーメンが食べたくて、その気持ちを抑えられなかった。
何度も思うが、一人旅じゃなければこんなことできないと思う。
念願の醤油ラーメン(9.8€)
味は普通。
1223円の高級ラーメン。
大学の食堂のラーメンと互角くらい。
でも十分。ラーメン欲は満たされたのだから。
素晴らしい、星5つあげたい。
やはりバンコクのラーメンの方がレベル高いね。
中国にいた時も、日本のラーメンに限りなく近いラーメン屋を探すのに、
日本人留学生同士情報を共有しながら頑張っていたなぁ。
日本人は世界のどこにいようと、ラーメン欲から逃げることはできない。ということである。
Time travel Wien
さて、宮殿と博物館を楽しんだ後
まだ時間があったので、中心地へ戻った。
次の目当ては、ウィーンの新感覚博物館「Time travel Vienna」というアドベンチャー施設だ。
https://www.timetravel-vienna.at/en/jp/
日本語のオーディオガイドあり!
ウィーンの歴史をツアー形式で体験できる。
初めは小さなシアタールームで、古代から中世くらいまでのウィーンを5Dで臨場感たっぷりに見せられた。
ネズミの大群が走るシーンでは、尻尾が足に当たる感覚まで体験させられ
同じツアーに参加していた地元の中学生たちは大盛り上がりだった。
それからハプスブルク家の人物をかたどった蝋人形が喋り出すショーや、黒死病が流行った時代の再現、モーツァルトのお家見学などなど、一人で行ってもかなり楽しい!
そして、戦争時代の体験コーナーへ。
実際に地下防空壕に入り、爆弾の振動を体感した。
チケットは19€と、そこそこ高いが
1時間ほどのアトラクションで、飽きずに楽しみながらウィーンの歴史を学べる良い所だった。
とりあえず課外学習に来ていたウィーンの中学生?がテンション爆上げで、手のつけられない状態であった。
かくいう私も、5Dの時点でかなりテンションが上がっていたので平静を装うのに苦労した。
最後はウィーン独立から現代までの映像を見て、平和は尊いね、という感じで終わった。
ブログのタイトル通り、タイムトラベルを達成!嬉しい。
ウィーン観光2日目
ウィーン滞在最終日は月曜だったため、多くの美術館は閉まっていた。
そこで、いとこが勧めてくれたシェーンブルン宮殿へ行ってみることにした。
一日乗車券を買ったので、路面電車も地下鉄もバスも自由に乗り回せる。
初日は自身の無知の為に混乱したが、仕組みを知ってしまえばウィーンの交通機関は本当に便利だ。
改札がないので気軽に乗り降りできるし、どこも混んでいなくてストレスフリー。
路面電車から整然とした文化的な町並みを眺めながら、宮殿へ。
この日は曇りだったが、この瞬間だけ少し雲が晴れて青空がのぞいた。
宮殿の敷地はかなり広く、観光客もまばら。
メインの建物を離れると人気がなくなる。
こんないい感じの場所も独り占めできてしまう。
すぐそばにはこんな素敵な道があった。
ベンチに座って少し休憩。
何が素晴らしいって、とにかく人が多くない。
メインの場所はさすがにそれなりに観光客が見えるが、少し道を逸れると簡単に1人になれる。
中国のように人でひしめき合ったりしていないので外へ出ても心が休まる。
外国へ行くのは好きだが、観光地を回るのはあんまり好きじゃないのは人混みが嫌だからだ。
静かな宮殿の雰囲気を楽しんだ後は、唯一開いていた自然史博物館へ。
ここでは学生料金にはしてもらえなかった。
大人1人9€とかそれくらいだった。
ここは古代の生物から、惑星、鉱物などの様々なゾーンが設けられていたが
正直建物そのものが立派すぎて、展示物に目がいかない。
恐竜コーナーなんかは結構作りが凝っていて、ナイトミュージアム的な雰囲気を感じた。
各ブースに休憩用の椅子が多く用意されているのも良い。
しかもその椅子も1つ1つアンティークな調度品という感じで美しい。
展示品は物凄く丁寧に飾られているので、全て見て回ろうとしたら1日はかかると思う。
朝から歩き疲れたので、鉱石ゾーンにあったふかふかのベンチでこっそりお昼寝した。
椅子の座り心地が本当に良かったので結構長い間座っていた。
椅子の写真を撮っておくべきだった。
少し軽く寝て、ふと顔を上げると知らないおじさんがこちらを見て笑みを浮かべていたので怖くなって退散した。
エントランスホールに戻って、改めて天井や階段を見るとめっちゃ凝ってて感心した。
この階段なんかいかにもフォトジェニックで、
若い人がおしゃれな写真を撮るのに奮闘しているのを横目に一人退館した。
続く→
夜の教会で
旧市街の中心に向かって歩いていくと、青い屋根の素敵な教会が現れた。
聖ペーター教会。
ウィーンで一番だか二番目だかに古い教会らしい。
こちらはシュテファン教会よりもこじんまりとしている。
中の装飾は割と重々しくも美しい。
入り口で教会コンサートのチケットを販売していたので、その晩行ってみることにした。
前の方からA(49€)、B(39€)、C(29€)と三種類の席がある。
学生なら10€引きにできる、と言われたのでBを買った。
国際学生証などは持っていないが、と一応聞いてみるとチケット売りのおじさんが
「You're young」だから見せる必要はないと言う。
高校生くらいに思われたのかもしれない。
Bの学生割引で29€。
ちょうど30€出すと、チケおじが
お釣りの1€が無いと困り出した。
それならお釣りは結構ですと言うと、私の寛大な姿勢に感心したのか
同じ金額でA席のチケットをくれた。
ちなみに教会コンサートにはドレスコードはないのでColumbiaのウィンブレでも大丈夫(確認済み)
コンサートは夜8時からだったので、その辺をウロウロしてお土産を買ったりしながら時間をつぶす。
夜になると結構冷えて来たので早めに教会へ入った。
最前列に案内されてワクワク。
そしてこの美しさ。
弦楽四重奏で、曲はモーツァルトやバッハ等いろいろ。
知ってる曲もあったし知らない曲もあった。
教会内は暖房がないので激寒、でも音の響きがすごくて心が洗われるようだった。
数日前までは広大な砂漠の真ん中で、人間は末端だという真理に達していたのに。
宇宙の塵のような存在の人間が、こんなにも繊細で綺麗な装飾や、形のない美(音楽等)を創り出してしまうなんて、と恐ろしさすら感じた。
聖ペーター教会、大好きになった。
また来ようと思う。
コンサート後、満ち足りた気持ちで外に出るともうレストラン類は閉まっていたのでマクドナルドへ行った。
この世には、もっと質の高い食べ物はたくさんあるが
やはりチーズバーガーが食べたい。
もし一人旅じゃなかったら、素敵なコンサートの後にジャンクフードなんて誰が許してくれるだろう。
夜も美しく輝く教会の近くに、
なんだかんだマクドナルドがある。
そんなウィーンが好きです。