金沢の夜、メコン川
いつの間にか9月になっていた。
どういう訳か、今は金沢にいる。
色々と疲れが溜まってきたので、夜ご飯も食べずに自転車で金沢の夜を駆け抜けてみた。
ただの地方都市だと思っていたけど、
飲み屋街なんかは人が多く栄えている。
しかも何気に風情がある。
悪くないけど今日は1人風を感じたかった為、
夜の街をすり抜けて心の思うままにチャリを走らせた。
月に向かって進むと、何ちゃらという川に当たった。
堤防の上に座る。
秋の風が吹く。虫の声が聞こえる。
ここは金沢、目の前の川の名前は知らない。
でもなんだろう、すごくメコン川を感じる。
川幅なんか桁違いなのにメコン川みたいだ。
ちょうど去年の今頃だった。
ルアンパバン。
風+虫の声=ルアンパバンの方程式が成立してしまっているようだ。
川の流れるスピードも丁度良い。
早すぎず遅すぎず、黙々と流れる夜の川を眺めていると心まで波打ってきて感動した。
まだ自分がこの世に残っているということ、
その気になれば2,3日後にはルアンパバンに降り立つこともできるということ、
目の前に流れる金沢の川も、巡り巡ればメコン川になり得るということ
とかを考えていると、2時間くらい経っていた。
最近自然に触れていなかったなと思う。
金沢という小さなコンクリートジャングルで
低刺激の日々を過ごしすぎて忘れてしまっていた感覚を取り戻した。
自分の歴史に残る良い夜だった。
復帰しようと思う。