TIME TRAVELER CHITA

I'm CHITA, Hongkong super star. Tibet

砂漠で過ごした夜

この夜、リビング代わりの大きなテントで

宿泊者全員で夜ご飯を食べた。

ご飯はバイキング形式。

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おかずが5〜6種類、中東のパン、お茶など

なかなか豪華で美味しかった。

キャンプスタッフのベドウィンは皆親切でいい感じだった。

 

ご飯の後は、焚き火の周りでお茶を飲みながらみんなで談笑。
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リトアニアから来た家族、ニューヨークのカップル、キエフ(たぶん)から来た人…

世界中からこの砂漠にやってきた旅行客が一緒になって火を囲む。

 

 

 

 

見上げれば満天の星空。

 

ちょっと散歩しようか、と友達と元上司の3人でキャンプを離れた。

歩いていくうちに、皆の話し声や歌声が遠のいていき、我々の砂を踏む足音だけが響く。

 

 

あたりは岩と砂と星空のみ。

キャンプからだいぶん離れてしまうと、もう辺りは完全な静寂に包まれた。

 

 

誰も何も言わなかったが、暗黙の了解で誰もライトをつけなかった。

星空の明かりだけなので、暗闇に目が慣れても足元はほとんど見えない。

ただ静かに歩き続ける。

 

見回すと、真っ黒の岩の形が見えるだけで

まるで本当に火星にいるかのような気がしてきた。

 

フードを被った2人のアラビア人の影が、なにかの古い物語に出て来る人物のように見える。

 

 

しばらく歩いてからこれ以上進むのをやめて、

適当に座って星空を鑑賞した。

天の川らしき星の群が見えるが、空が星に埋め尽くされているので正座の形は正確には辿れなかった。

 

ぼそぼそと英語で話し始める2人。

 

自分は静寂と闇の中で考えることを辞めて、完全に自然に身を任せていたので会話の内容はあんまり覚えていない。

ムスリムである元上司がイスラム教について話してくれた気がする。

 

1つしっかりと覚えているのは友達が、「もし今なにか事柄や人に感謝できるとしたら、なにに感謝するか」という問いを立てたこと。

 

元上司は自分の人生の全てに感謝すると言い、

2人におまえは?と聞かれたので、

私はネイチャーに感謝すると答えた。

 

岩と砂と星空しかない世界で、

自分や他の人間たちは全て、宇宙の塵に過ぎないのだとその時本気で思った。

地図上では、中東のとある砂漠の一画に滞在しているだけで

この世から隔離された秘境にいるわけではない。

 

それでも

見渡す限りの砂漠と静寂に包まれていると、

自分は宇宙の中の、とある星の生命体の末端でしかない。

ここにいる誰もがそうなのだ。

皆同じ星のチルドレンなのだと

そう考えずにはいられなかった。

 

自然に生かされている。

いや、自然に干渉されずに生きている。

 

これは本やネットで見た誰かの妄想ではなく、

自分自身の人生から生まれた発想であることに

大層感動した。

 

 

We are all children of the same planet だね、と言うと2人はなんか知らないが、お前もまあまあ良いこと言うじゃん的な感じで喜んでくれた。

 

 

砂漠の夜は寒いが、耐えられないほどではない。

元上司が自分の大きなあったかいコートの中に入れてくれた。

お父さんが2人の子供を抱き寄せている感じで。

 

砂漠・ファミリー。

 

 

 

それから、イスラムの瞑想法を教えてもらい3人で瞑想した。

全身の感覚が研ぎ澄まされて、精神的にずきずきした。

 

 

 

 

 

自分の文章力ではとても表しきれないほどの感動を知った夜だった。

真っ暗なので写真もない。

下手に言葉にしてしまうと陳腐な感想文になってしまいそうで書きたくなかった。

 

でもやっぱりこの日は特別な思いを抱いたので

残したい。

 

 

読み返してみると何が言いたいのかよく分からない。

 

 

 

これを読んだ方、行ってみてください。

砂漠へ。