謎の青年と城跡
ようやくヨルダンへ到着し、無事友達にも会えた。
こんなに遠いとは…
それでも行こうと思えば行けるのだから地球は小さくて便利だね。
今日はアンマン市内のローマ劇場と城跡へ。
この客席の一番上まで登ると見晴らしが良い。
天気も良く、清々しい春の風が吹いていた。
急な勾配で足が疲れた。
舞台の真ん中に、マンホールのような箇所があってその上に立って演説とかするらしい。
この間洪水が起きた時にここも水没したらしく、泥がまだ残ったりしていた。
それから友達とアンマン城跡へ向かった。
丘が多いのでタクシーで行く方が良い、と路肩に立っていると1人の青年が話しかけてきた。
友達と青年がアラビア語で何かを話している傍で、ひたすら写真を撮り続けるわたし。
どうやら、我々がタクシーにぼったくられないかと心配しているらしい。
私はアレだが、友達はバリバリ現地人なので大丈夫だと思うけれども…
友達が美人なので、多分ナンパなのだと思う。
よくわからないが、青年が始終友達にアラビア語で話しかけ続けているので私は為すすべがなくただ付いていくしかなかった。
結局、タクシーを捕まえて3人で乗り込み城跡へ。
どんな会話をしているのか全くわからないので、これはナンパなのか。詐欺なのか。考えを巡らせる。
そんなこんなで城跡到着。
なぜかタクシー代を払ってくれる謎の青年。
城跡のチケットは観光客だけ少し高くて、現地民は格安で入れるのだが
青年が窓口の人と交渉して私のぶんもヨルダン価格にしてもらっているようだった。
それでも結局青年が払ってくれた。
この青年が何者なのか、もうそれについては考えずに城跡を楽しむことにした。
青年は絶えず友達にアラビア語で話しかけ続けている。
城跡はというと、最高に素晴らしかった。
高い丘の上にあるので見晴らしも良いし
もう朽ちた建物の跡と緑のコントラストがとても良かった。
観光客も少なく、ゆったりとした時間が流れる素敵な丘。
この場所が大好きになった。
青年はというと、カメラマンとして活躍してくれた。
石の上に腰かけたアングルで写真を撮ろうとすると、「立て」「もっと登れ」と指示してくる。
私は1人で城跡を十分楽しめたが、
友達は見るからに疲れていたので気の毒だった。
どうやら青年は18歳のムスリムで、宗教的な教えに従って私たちに良くしてくれているようだった。金を取ろうとしているわけではないらしい。
そして友達がムスリムでないことを残念に思って入信するように勧めているみたいだった。
加えて、友達が美人なので若干口説いているような感じもあった。
友達はだんだんガチでイライラし出して、
隙を見てあいつを撒こう、と耳打ちしてきた。
城跡の中にある博物館で青年が知人と話しているすきに2人で外の草原へ出て、もう大丈夫だろうと思っていると
なぜか再び青年登場。
結局城跡から市内までのタクシーにも相乗りしてきて3人で帰った。
その後は「神のご加護を」と言ってくれて、ムスリムの数珠みたいなやつを友達に渡して消えたので
結果悪い人ではなかった。
友達はというと、あいつマジで何?名前すらどうでもいいから聞いてない。という感想だった。
何はともあれヨルダン観光1日目、楽しく過ごせて良かった。