北京からウィーン、そしてアンマンへ
北京からウィーンまでのフライトは思ったよりもしんどくなかった。
というのも席が一番後ろの方だった為周りに人が少なく、シートも遠慮なく限界まで倒すことができたからだ。
エアチャイナのサービスは良好。
映画のラインナップはしょぼかったが殆ど爆睡していたので何ともなかった。
これまでの経験を生かし、飛行機に乗る前に楽なスウェットとクロックス姿に着替えていたのも良かった。
例のColumbiaのジャケットは遮光カーテンばりに光を通さないのでそれを逆向きに羽織ることで完全に周囲をシャットアウトできた。
ウィーンの空港についてから、待ち時間は5時間ほどあったがその辺のベンチで中国のパンを食べて過ごした。
ここもWi-Fiが遅くて途切れ途切れで悪かった。
ウィーン→アンマンまでは悪名高きライアンエアだったので、始終気を張って疲れた。
というのも、ライアンエアでは搭乗券を自分で印刷しなければならないのに加え、ビザチェックなるものが必要になる場合がある。というややこしいルールがあった。
今回ウィーン→アンマンはビザチェックが必須だった為、ネットで調べた通りにカウンターに並んでビザチェックプリーズと言ったところ
ドイツ語訛りの英語で、「直接ゲートへ行って」的な回答を得た。
正直聞き取れなかったが多分そういうことなのだろうと思い、そのまま出国審査まで通ってしまったが
本当にこのままゲートまで行って大丈夫なんだろうか?と不安で不安で仕方なかった。
ビザチェックがないまま搭乗口へ行くと、場合によっては無慈悲にも搭乗拒否されるという。
結果、ゲートまで行くとライアンエアのスタッフがおり、ビザチェックを頼むと何かコンピュータをカタカタして、OKのシールを貼ってくれた。
事前にネットで見たような、スタンプなどはなかった。
みんな同じシールを貰っていたのでビザチェック自体は別に必要なかったのか、未だによく分からないがこんなに人を不安にさせるルールを作るライアンエアにはもう乗りたくないと思った。
機内はヨーロッパの陽キャであふれていて、
普通に立ったまま友達とおしゃべりしたりしているのに驚いた。
機内のシートも最初からクッキーのカスみたいなのがこぼれていたし、乗客はみんなうるさいし、不愉快だった。
ここでようやくカミュを開いた。
『異邦人』。
読むのは2回目。
どういうところに文学的価値があるのかはよく知らないが、何となく面白いと思って読んだ。
近くにいる人に、何を読んでいるのか見られたくないので読書するのは大体海外にいる時だ。
家ではスマホしか眺めない。
ウィーン→アンマンは4時間ほど。
その間、横の太った乗客がトイレに行くたびに席を立たなければならず
それならわざわざ通路側を指定しなくても良かったな、と思った。
アンマンの空港が近づくとみんな窓の景色に釘付けになっていて(おそらく砂漠か何か雄大な景色)
私は右を見ても左を見ても、景色が見れず
通路の反対側にいた乗客に、夕日越しに視線を合わされて気まずい思いをしただけだった。
アンマンのクイーンアリア空港はとても小さい。
入国審査の際、日本人はビザの申請ブースへ行かなくてもいいと聞いていたのでそのままパスポートチェックを通ってすぐに入国できた。
SIMカードを売っている通信会社が2つほどあり、zainという会社の1ヶ月15ギガ、電話番号付きのカードを2700円ほどで買った。
それが一番安いプランだったからだ。
15ギガもあればいちいちWi-Fiに繋がなくて済むし、zainの回線はとても速い。
若いイケメンのスタッフが市内への出方を教えてくれた。
何を言っているのかあまりよく分からなかったけど、助けてくれているのは分かった。
外へ出て、zainのイケメンが書いてくれたアラビア語のメモを見せる。
バスの関係者も親切で良かった。
ただ、空港から市内へのバスは30分から1時間おきレベルの本数らしく、この時は出発まで50分は待った。
空港内のスタバでフラペチーノなど飲まずにさっさと外へ出れば良かった…
そしてここで、嬉しいことに中国人の女性(美人)と出会った。
仕事の関係で来ている人で、英語がめちゃくちゃ上手かった。
こんな遠く離れた異国で中国人に出会うと、同胞に巡り会えたような安心感がある。
中国では精神的日本人という言葉が流行ってるらしいが
もしかしたら自分は精神的中国人かもしれないとちょっと思ったりした。