ラサ、フレンドリー物乞い
前回の記事でも書いた外国人向けレストランでちょっと面白い体験をしたので紹介。
実は滞在2日目あたりでうっかりシャワーを浴びてしまい、翌朝から完全に風邪をひいてしまっていた。夏場ではあるが乾燥してるし涼しいので汗もかかない。ガイドさんに、風邪を引くからシャワーは浴びないように言われていた。しばらく汗拭きシートとシャンプーシートでしのいでいたが、やはり日本人。耐えられずシャワーしてしまいました。
次の朝、目覚めた時には喉が死滅していた。
頭も痛い。パブロンをもらい、熱さまシートをつければまあ何とか大丈夫そうだったのでそのまま街へ繰り出した。
この日はお土産デー、それぞれ欲しい物があるので、離散して単独行動。
素敵な布やら、安物の数珠やらマニ車やらを見ながらブラブラ。
マスクと熱さまシートを貼った風邪アピール全開人間の私を見て、土産屋のチベット店員が「ラサで風邪を引くのは死と同義だよ」と言ってきたのでびびった。
もちろん現代ではそんな事はなく冗談だけれど、昔は本当に危険だったらしい。
さて、歩き疲れた頃たまたまHさんと会ったので、そのまま例のレストランへ行った。
前回美味しかったほうれん草のピザをオーダー。
一緒に頼んだ高原茶がすごかった。
明らかに漢方薬のにおいがする、ただのお茶じゃない。
飲んで一口、なんと喉の痛みが和らいだ!
さすがチベット、神秘的だ…。
このお茶を買って帰らなかったことをずっと悔やんでいる。
この時我々が座っていたのは前回と同じくウィンドウ側の席。
外から丸見えである。
道路には現地民が何かを売っていたり、観光客が歩いているのが見える。
そこに行ったり来たりしているオレンジ色の袈裟の男がいた。なんだろう、お坊さんかなと思って大して気にしていなかったが、
Hさんがトイレに立って私1人になった時
突然そのオレンジ袈裟男がはいってきた。
まっすぐこちらのテーブルに向かってきて、
にこやかな笑みを浮かべながら、中国語で「家に帰る金がなくて困ってる。お金を恵んで欲しい」というような事を言ってきた。
黙って聞いているとなんと要求金額が「100元」らしい。ふざけすぎである。
勿論イヤだったので、「観光客で中国語がわからない」と英語で返すと、今度は英語に切り替えて100元を要求してきた。
よく見ると若いし、身なりも物乞いらしくない。
仕方ないので、残念そうな顔をして「ノー」と言ったとき、彼は目にも留まらぬ速さでレストランから消えていた。
Hさんがトイレに立った間の一瞬の出来事だった。
改めて思い出すとあのにこやかな物乞いに笑ってしまう。
ラサではフレンドリー物乞いに注意です。