TIME TRAVELER CHITA

I'm CHITA, Hongkong super star. Tibet

午前2時、交差点

へんな時間に目が覚めた。

25歳になった。

 

日常生活の中でふと、えもさを感じるシーンとの出会いはいつも突然である。

 

たとえばさっき、午前2時前に目が覚めて

ホテルの窓から大通りを見下ろすと

誰もいない交差点と信号のぺかぺかする静かな景色に胸を打たれた。

 

例によって雨に濡れた金沢の道路。

仕事でよく通る交差点。

なにも特別な思い入れがある場所じゃないのに、なぜか思い出になる。

 

旅のなかでもたまにあることだと思う。

圧倒的絶景よりも、

一瞬通っただけの暗い道とか、しょぼい看板とか、ゴミの散乱した坂とか(主に中国)

 

なぜなのか

 

なにがじぶんの心に残っていくかはその時にならないとわからない ということでした。

闇堕ちした1週間

本来ならばルアンパバーンにてゆっくりと休暇を過ごすはずであったのに。

 

暗い病院のベッドで虚無の1週間を終え、ようやく自宅へ戻れた。

 

病気で痛い、苦しいのもあったがそれ以上に

病院という場所に満ち溢れる負の空気のようなものにあてられ

がちで闇堕ちしてしまった。

 

節電のためらしい、なんか薄暗い廊下。

夜、地下のコンビニまで降りて歩いているときなど

ホラー映画かと思うような雰囲気であった。

 

持ってきた漫画とか映画とか全然見る気にならなくて

なんにもしなかった。

眠ることもできず、隣のベッドのおばあちゃんの寝言を聞きながら

暗い天井を見つめていた・・・。

 

何日経っても痛みが収まらず、点滴を打ちまくったため

薬中の人の腕みたいになってしまった。

そうこうしているうちに世の中はコロナウイルスで大混乱。

気まぐれにテレビをつけるとその話題しかない。

こんな老人だらけの病棟で、もし感染者がでたら・・・

考えるだけで恐ろしい。

 

もはや旅行を惜しむ気持ちも湧かない。

 

こんなことになるなんて

ルアンパバーン再訪、夢と散る

2020年2月20日〜25日、

ラオスの古都、ルアンパバーンへ2度目の旅行を予定していた。

 

ルアンパバーンといえばこのブログを始めたきっかけでもある思い出の一人旅の場所です。

 

雄大なメコン川を眺め、落ちる夕陽に心を休ませようと

前々からきちんと計画し、仕事の休暇も都合をつけていた。

 

しかし19日の夜、急遽入院することになってしまい

ルアンパバーン旅行は泣く泣くキャンセル。

 

1週間前から、調子が悪かったので仕事を休んで病院で診てもらい

薬も毎日しっかり飲んでいたのだが

いっこうに良くなる兆しがなかったので別の総合病院で検査をしたのち、即入院。

 

セカンドオピニオンの重要性を知った。

そして大きい病院の凄さを知った。

最初のお医者さんに言われるままに風邪と思い込んで

無理やりルアンパバーンまで行っていたらどうなっていたことだろう。

 

フライト時間はそんなに長くないが、

朝10:30関空発〜20:30ルアンパバーン着の計画だったので

やっぱり道中倒れていたかもしれない。

そうなると、コロナの疑いなんかもかけられて大変な事態になっていたにちがいない。

 

往復の航空券7万円は、4万円が返金された。

海外保険は出国前だったので全額返金。

ホテル代は、bookingでしれっとキャンセル料免除をリクエストしておいたら

4つのうち2つはそのままキャンセルされており、

残りは恐らく免除にはならない感じだと思う。

 

前回泊まったムアントンホテルを予約していたが、ここはさすがに全額免除にはならないようだった。

しかし、前回知り合いになっておいたマネージャーのラオス人からmessengerがきていた。

まだわたしのことを覚えていてくれてたみたいだった。

入院していることを言うと、キャンセル料の件はボスに相談してみてあげるといってくれた。

そのあと、幾らなら払えるか?と聞かれたので

さすがに全額免除しろと言うのはおこがましい気がして、

半額かそれ以上、と答えると半額免除でなんとかしてくれるとのこと。

本当にありがたい。

 

 

 

 

いつまで入院することになるのか、まだ良くわからない。

恐らく旅行用に申請していた5日間の休暇分で足りるくらいだろうと思う。

 

まあ、もともと休暇をもらう予定だったので

いきなり仕事をずっと休むというわけでもないし

旅行のために部屋も片付けて、荷造りもしてあったのが不幸中の幸い。

なんならフライト用にiPadに映画もダウンロード済み。

行先は大きく変わってしまったが

これも一種の休暇と思って、ゆっくりしようと思う。

メコン川ではなく病室の天井を眺めながら・・・。

天津之夜

大晦日の夜、天津にある古文化街とかなんとかいう場所へ行ってみた。

 

中国の古い建築物を模したストリートで、

割と最近できた観光地なので真新しさしかない。

 

多分中国のどの場所にもあるだろう、なんかザ・チャイナぽいお土産とか

食べ物の店が並んでる系。

 

行ったのが夜すぎて、ほぼ閉まってました。

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昼間はもっと賑わっていて、中国に来た感を味わうには良さそう。

一通り歩いて、面白くなかったので我がシャングリ・ラ ホテルに帰った。

 

高層階から夜景を見下ろすリッチな過ごし方も楽しいけど、

ポケットに50元だけ突っ込んで、下界をあてもなく歩き回るのも楽しい。

ノスタルジー。

狭い部屋がひしめき合っていそうな古いマンションとか、

餃子屋とか、栗屋とか。

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悪くないと思う。

 

久しぶりの中国。

 

中国での一番良い楽しみ方は、

映画のワンシーンのごとく、雑踏に紛れて姿を消す自分を想像することだと思う。

誰も追ってこない、気にも止められない。

切れたナイフのような心で、ひたすら紛れていく。

 

 

ちなみに、今の中国はQR決済がメインなので

ポケットに突っ込んだ50元は使い道ありませんでした。

 

 

 

年越し天津の夜

2019年12月31日。

 

大晦日、どう過ごすのか確認。

天津友達、バーでのバイトがあると言い出す。

バーでパーティあるけど、仕事だからあんまり一緒にいられない…つまらない思いをさせちゃうかも。とのこと

 

これは…まさかの天津年越しぼっちですか??

 

困惑。

今更どうにもならない。

昨日の疲れもあり、正直もうパリピのノリについていけないことに気づいてしまったので

一人で過ごすことにした。

 

ちなみに、友達の家ではルームメイトが仲間を呼んでのパーティを開くらしい。

 

つまり家に留まることもできない。

 

外で遊んだあと帰宅すればそこはパーティーの真っ最中ということになる。

 

そんなの耐えられるはずがない。

 

そこで閃く、ホテル泊まろう、と。

それも並大抵のホステルでは寂しくなるだけだと思ったので

リッチな部屋に泊まろう。

急いでBookingドット・コムで検索すると

シャングリ・ラホテルが一泊1万8000円で空いていた。

 

いける!!!と思い、

友達には「ごめんね!夜になったらバーに寄るよ」と告げ、秒で荷造りをしてタクシーでシャングリ・ラホテルへ向かった。

 

 

 

シャングリ・ラホテル

五つ星。

きらめく高層ホテル。

受付へ行くと、最高に丁寧な接客を受けた。

 

おひとりさまですか?

ーはい、でももしかしたらもう一人来るかも

確定ではない、ということですね

ーそうです

かしこまりました(優しい顔)高層階のキングルームがあいておりますがグレードアップいかがですか?景色が素晴らしいですよ。

ーグレードアップお願いします

 

 

 

通された部屋は27階。

忘れもしない。

 

リバービュー


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部屋の内装、景色、アメニティ(ロキシタン)

接客、全てにおいて完璧。

完璧の完璧。

これまで感じたことのない、高潔な…開放感。

高みの自由。

 

素晴らしかった。

 

近くの綺麗なショッピングモールで、

バーガーキングと、香港のカステラみたいなやつと紅茶をテイクアウトし

27階から夜景を見下ろしながら食べた。


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バスタブもあるので、ipadでJAZZをかけてゆっくりお湯につかった。

アメニティのロキシタンのすべてを使い、

時間をかけて髪の毛をといた。

ほぼパンイチで夜景を見下ろし、何もかもに満足した。

 

12月31日23時半、

まだ何かやれることはないか、と思いラウンジへ。

一階のカフェでピアノ・ボーカル・コントラバスのトリオがJAZZを演奏していた。

100元くらいする熱々の花茶を飲みながら、音楽に浸る。

落ち着いた空間にipadが映えていた。

まるで物凄く仕事ができる人の夜の過ごし方みたいだった。

ipadでは主に写経しかしてない。

 

 

23時50分頃、

なんかそわそわしてきたので自室に戻る。

再び下着姿に戻り、夜景を見下ろしながら

おだやかな心で0時を迎え

日本にいる友達とメッセージのやりとりなどをした。

 

最高の夜でした。

 

 

 

 

 

年越し天津の実情

久しぶりの投稿。

2020年おめでとう!

 

今回の年越しは天津にて。

2020年1日目の朝は天津で迎えました。

さて、かねてよりブログにも記していました、年越し天津。

グローバル陽キャ中国人と何らかのパーティーで楽しく過ごす予定でした。

 

以下、記録。

 

2019年12月30日午後、

関空に到着。

久しぶりの出国&中国でやや緊張気味。

18時のフライト。

特に何も食べず搭乗。

機内食、無かった。若干遅延する。

配られたクッキーを秒で完食。

天津に着いたら、餃子やワンタンを食べたいなあと思いながら3時間のフライトを耐え忍ぶ。

 

身体が衰えたか、3時間ですらしんどく感じた。

ipadに入れていたワイルド・スピード スカイミッション鑑賞。

何度見てもかっこいい。

 

同日午後9時頃、天津到着!

無事、友達と再会。早速地下鉄に乗って市内へ移動。

腹が減ってやばかった。

中国料理が食べたかったが、友達がアラビアンレストランへ連れて行ってくれるというのでおとなしくついて行く。

午後10時半。空腹の限界。

時間がおそすぎた為、シーシャしか提供できないという。

腹減りすぎて今シーシャなんか吸ったら倒れるわいと思いつつ、ふかす。

中国人友が、天津の留学生というベトナム人とメキシコ人を呼んでくれた。

二人共良い奴って感じで、楽しくお喋りをしていたが私の知らない人の名前がちょくちょく出てくるのであんまりついて行けなかった。

とにかく腹が減っていた。

 

腹減ったもう無理、と告げ、場所を変えることに。

ラバンバとかいうメキシカンバーへ移動。

料理、なかなか美味しかった。

メキシコ人が吸っていた小洒落たタバコも美味かった。

 

そのうち午前3時をまわった。

体力の限界だった。

みんな自分より年下だった。

 

寝たい、と告げ中国人友のアパートへ帰宅。

中国のアパートは部屋代が高いのでみんなルームシェアが基本である。

当然のごとく彼女もルームシェア

ルームメイトはトルコ人だかロシア人だかのカップルだった。

午前4時近くに帰宅したにもかかわらず、

なぜかリビングにいるルームメイト。

挨拶を交わす。 

なぜかギターを弾き出すルームメイト。

 

内心、苦笑。

しかし泊めてもらう身分でわがままを言ってはいけない。

シャワーも浴びずにその日は寝た。

 

 

 

 

 

追記 : チベットの湖にて

古いiPhoneのメモになんか書き残したものがあったので、供養。

 

 

 

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冷たく澄んだ真っ新な空気。
山々と高原の間を列車は進んでいく。
一面の草原にヤクの群れが現れたかと思うと、氷山が顔をのぞかせ、そして次第に湖へと移る。
ずっと夢見ていた土地を今、通過している。
静かな感動で胸が一杯だった。

 

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ナムツォ
標高4777mにある湖。
水がガラスのように澄んで、砂浜にさざ波を立てている。大きな岩がそびえ立ち、鏡のようにその姿をくっきりと映している。
誰かがバイクで土の道を走っていく。
撮影用の大きな毛牛がぼーっと立っている。
さすがに酸素が薄いのを身体で感じ、心臓が苦しかった。


大きな湖はまるで海のようだった。
遠く彼方に山々が並び、青空に突き抜ける。
透明な水がゆったりと揺れる。まさに天国だ。
あまりの美しさに、体の苦痛を忘れた。

遠くの山の頂を眺めていると何故だか心が落ち着いた。あそこに行くことができたら、と憧れの念を抱く。きっとこの世の苦しみも悲しみも全て綺麗に取り払ってしまえるだろう。頂に立ち、一帯の景色を見ることができたら。
水も山も空気も雲も、皆生きていると思った。

カーブの多い山道をバンで降りて行く途中、谷に残る集落の跡を何度か見かけた。屋根の部分だけ綺麗になくなっているが、石の土台となっている所はそのまま残っている。
思わずあの谷でかつて生きた人々の暮らしを想った。彼らの命が巡り巡って今の自分に繋がっているとすら思う。世界はこんなにも広いが、全ての生は繋がりを持っている気がする。

岩の側面に、白いハシゴの絵が描かれているが気に入った。それは死者の為の「天国への階段」だ。自分が死んだとき、誰かが自分を想ってハシゴをかけてくれるだろうか?
そして自分の生がいつかどこかで誰かに繋がってくれるだろうか。誰かの記憶に残り続け、あるいは何百年も後、ふとした瞬間に、自分の生きた証を感じてくれる人がいるだろうか。

 

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